運命の時、約束の時

 私は千影の部屋に来ていた。
「そう、あの子に告げられたからね」

ゆるい日溜まりの中、散歩をしていると一人の少女が駆け寄ってきた。
「今日・・・待っているよ」
一言告げると走り去っていった。
見たことがあるような、逆に言えば何処にでもいる少女だった。

「思い出したんだよ」

散歩から帰ると無性に気になったのだ。
古いアルバムを開いた。

「千影だったとはね」
千影は静かに、こちらを見た。
「ドッペルゲンガーが出るまで思ってくれていたなんて」
「兄くん、よくそんな言葉を知っているね・・・」
「千影の兄だからね」
「・・・ふっ。甘く・・・見過ぎていたようだね」

長い髪を後ろ束ねて、兎の飾りの付いた髪飾りで止めている少女。
髪の色は千影と同じ・・・。
写真を見て、すぐに思い出した。

「判っている」
薄暗い部屋。
最低限の照明。その中に千影の顔が浮かび上がっている。
古い本の匂い。骨董品の匂い。まじないに使う、あやじげなものの匂い。
「いいんだね・・・」
「だから・・・兄くんに来てもらった」
息のかかるほどに近づく千影。
千影を抱きしめた。
軽く口づけ。
千影の後ろに回る。
また彼女を抱きしめる。細い体は服の上からでも判る。
彼女は少しだけ頭を下げた。
抱いている手をほどいて彼女の黒のワンピースの後ろのボタンをはずす。
するりと抵抗も無く滑り落ちていく。
髪にも手をかける。束ねていた長い髪が解きほどかれる。
「こっちの方が好きだな」

黒い下着姿の千影が手招きする・・・黒い骨組みで組み立てられたベットに・・・。
彼女が先に横たわった。
服を脱ぐ。
「後悔は・・・していない」
いつにもまして口数の少ない千影。
上の下着を取る。
小振りな胸。細い体には釣り合いがとれている。
白い肌。血管が浮き出るほどの白い肌。
ベットに横たわる。再び口づけ。今度は長い口づけ。
舌を体に這わせる。
顎。
首筋。
そして胸に。

触れる。
撫でる。
口づけ。
舐める。
吸う。
軽く噛む。
千影はそのたびに、体を振るわせる。
いつもと違う息づかい。

彼女の下着を全てとってしまう。
下腹部の毛は、さほど濃くはない。
彼女が身にまとっているのはクロスの首飾りだけ。

足を広げる。
素早く千影は秘部を隠す。
恥じらい。
太股に唇を這わす。足を閉じようとする彼女の足を広げる。抵抗は形式的。
手をはねのける。彼女は左手で右手を握ってきた。
ゆっくりとゆっくりと彼女を解きほぐしていく。

口づけから、もう一度繰り返す。

「本当に後悔してないね?」
しっかりと頷いた。
千影の上に覆い被さる。
徐々に挿入する。そのたび彼女は反応を繰り返す。
ゆっくりと動かす。彼女の呼吸が荒れていく。
彼女の両腕が巻き付いてくる。

腕をふりほどいた。彼女を裏返す。
そして四つん這いに。彼女はベットのフレームを握った。
再び挿入する。前よりも激しく動く。
フレームを握る手が徐々に下がっていく。呼吸とリズムを合わせるように。
フレームから手が離れた瞬間を見逃さずに、彼女を離す。
「兄・・・くん」
口づけ。
頬をつたう涙を見る。
髪は、すっかり乱れている。
「もう一度」

彼女の上で終わった。
彼女の横で横たわる。
「大丈夫?」
「思ったより・・・大丈夫・・・だったよ。兄くんは・・・優しいから」
千影が上半身を起こした。
「この日を・・・待っていたんだよ。何度も・・・何度も・・・転生を繰り返しながら」
彼女からの口づけ。
「やっと・・・二人は・・・交わっても良い立場になったんだよ・・・兄くん」
「気づいていた」
「運命の歯車が・・・動いたのさ」
彼女は胸に下げているクロスに口づけした。

完。