日本軍艦船護衛作戦
第二次大戦前に日本海軍は艦隊対艦隊決戦を目標にしていた
そのために疎かになっていた艦船護衛
日本は輸出入に頼る国であるが・・・
日本軍最大の弱点の一つに立ち向かったものたちを紹介する本です。
『輸送船入門‐日英戦時輸送船ロジスティックの戦い』大内建二著 光人社NF文庫
第二次世界大戦開戦時世界第3位の船舶量を誇った日本商船隊、しかしたった3年9ヶ月の戦いの間に壊滅してしまった、その理由は艦隊対艦隊決戦を目標として兵站・補給を疎かにした日本軍戦争指導者の誤りであった。泥縄式に整えられる護衛計画は後手後手にまわり圧倒的な物量を誇る米英軍の攻撃になすすべもなかった。戦時輸送船の悲劇を豊富なデータで読み解きながら日本商船隊滅亡を説明する1冊。同時にドイツUボート部隊に襲われ続けながらも耐え抜いた英商船隊の記録を併記して日英の比較をしています。
(04.09.14新規)
『商船戦記‐世界の戦時商船23の戦い』大内建二著 光人社NF文庫
第一次世界大戦での4つの話を含めた23の戦時商船の戦いを収録した本。第二次世界大戦での日本輸送作戦の話は「輸送船淡路山丸の最後」「病院船氷川丸の航跡」「商船改造航空母艦の大活躍」「海外緊急引揚船と抑留者戦時交換船」「横浜港大爆発事件の真相(ドイツ特務艦の横浜港での爆破事件)」「ドイツ客船シャルンホルスト号の数奇な運命」「日本の戦時標準船建造始末」「戦時下の関釜声即連絡船物語」であります。文章を読むと、やっぱり日本軍の輸送軽視が判ってしまいます。第一次世界大戦時の話では「貨客船常陸丸二世受難の記録(ドイツ仮装巡洋艦に捕獲された)」が掲載されています。他にもヨーロッパ戦線での商船達の戦いも掲載されているので日頃、日の当たらない商船戦記を知るには良い1冊であります。
(05.02.23新規)
『戦時商船隊‐輸送という多大な功績』大内建二著 光人社NF文庫
第一次大戦から第四次中東戦争に至るまでの戦時商船隊の闘い16章に分けて書いた本。第一次世界大戦に登場した帆走仮装巡洋艦ゼー・アドラーの活躍に始まり地中海における日本海軍艦艇護衛の実態、客船の被害、日本海軍特設艦艇の活躍、リバティ船の実態、捕獲船舶の利用、第三図南丸や橘丸の活躍、戦時中の日本商船の武装、第四次中東戦争における貨物船山城丸の被害などなど多くの話が戦史の表に出てこない話ばかり・・・しかし戦争を支えた重要な船舶の話を読むことが出来る1冊であります、資料性も高いです。
(05.11.22新規)
『戦う民間船‐知られざる勇気と忍耐の記録』大内建二著 光人社NF文庫
大内氏の戦時民間船シリーズの第3弾。この本の前半では日本軍の輸送の実態、特設監視船(徴用された漁船の戦い)、海軍省の檄文、遭難船、そして生き残って戦後復興に寄与した船の解説です。後半は海外での商船の活躍、米リバティー船や英国の戦時級造船(米英の考え方が違うところが面白い)、英国クィーン・メリーとクィーン・エリザベスの姉妹船の戦い、テロで失われた客船などのお話です。日本と米英の戦時輸送の思想の違いが戦争の勝敗にどれだけ影響を与えたか、よく判るの本であります。
(07.02.12新規)
『海軍病院船はなぜ沈められたか‐第二氷川丸の航跡』三神國隆著 光人社NF文庫
第二次世界大戦が終わって間もない1945年8月18日舞鶴沖で1隻の病院船が自沈した。それは元オランダ客船オプテンノール号→海軍病院船天応丸→病院船第二氷川丸と波瀾万丈の歴史を経た船であった。オランダの病院船であったオプテンノール号を日本海軍は拿捕し日本の船とした、これ自体が国際法上守られている病院船を拿捕したという問題ある事態だった、このことが第二氷川丸の運命を決めたと言っても良い。そのために改装され天応丸になり、さらに偽装され第二氷川丸となった。この間の出来事、病院船としての活躍、内部で行われた医療行為(従軍した看護婦達の証言も多数)、国際法ギリギリで行われた物資輸送、拿捕された時に乗船していたオランダ人達のその後、戦後ささやかれた財宝伝説まで証言、資料をしっかりと調べ書かれた良書です。
(05.03.10新規)
世界の艦船1996年2月号増刊『日本海軍護衛艦史』 海人社
日本海軍が海上護衛に建造した海防艦をはじめとして実質的に対戦・対空護衛艦として使用された掃海艇・駆潜艇・駆潜特務艇・敷設艇・哨戒艇・特務艇の全タイプを紹介した一冊。各型の簡単な解説と側面図・艦名一覧・要目・写真を掲載してあります。第63号駆潜艇新造時と第205号海防艦新造時の折り込み図面(上面図と側面図)、巻末には「日本海軍護衛艦艇建造の歩み」「技術面から見た日本海軍護衛艦艇の発達・・・船体・機関・兵装」「海上護衛戦の総括」の文章を掲載。日本海軍の護衛艦を1冊にまとめた本は珍しいので資料として重要な1冊です。
(04.09.14新規)
『護衛空母入門‐その誕生と運用メカニズム』大内建二著 光人社NF文庫
第二次世界大戦勃発と共に誕生し第二次世界大戦終結と共に消えてしまった艦種である護衛空母の歴史・メカニズムについて書かれた本。日本海軍の護衛空母である大鷹・沖鷹・雲鷹・海鷹・神鷹、日本陸軍の護衛空母あきつ丸・熊野丸・しまね丸・山汐丸について解説が書かれています(特に陸軍空母の図面は大変貴重)。しかしながら、この本の最大の魅力であり重要な要素は米英の護衛空母の開発経緯・運用・艦についての解説であります、日頃日が当たらない護衛空母について見事に解説してあります。また米英の護衛空母が活躍し日本の護衛空母が活躍できなかった理由も明確に述べています(カタパルトの有無が運命を決めた)。読みやすくて資料も充実している好著です。
(05.06.08新規)
以下、戦時中に輸送に使われた船舶の資料です。
世界の艦船1997年7月号『思い出の日本貨物船(11)吾妻山丸/淀川丸』 海人社
吾妻山丸・・・1933年7月三井物産造船部玉工場で完成(7614総トン)。三井物産船舶部所属ディーゼル貨物船、ニューヨーク定期航路に就航。第二次大戦中は海軍連合艦隊所属の特設運送船として活躍。1942年10月15日ガダルカナル島向け第1次強行輸送に参加、作戦終了後空爆により沈没
淀川丸・・・1936年12月三菱重工横浜船渠で完成(6441総トン)。東洋海運所属ディーゼル貨物船、ペルシャ湾航路等に就航。第二次大戦中はレン越え艦隊所属特設運送船として活躍。1943年5月11日南太平洋アドミラルティ諸島沖にて米潜水艦グレイバックの雷撃を受けて沈没。
世界の艦船1997年6月号『思い出の日本貨物船(10)讃岐丸/神川丸』 海人社
讃岐丸・・・1939年5月三菱長崎造船所で竣工(7158総トン)。日本郵船Sクラス高速貨物船。開戦後は海軍特設水上機母艦として活躍、後期は特設運送船として働く。1945年1月28日済州島西方で米海軍潜水艦ソードフィッシュの雷撃で沈没。
神川丸・・・1937年3月川崎造船所で竣工(6853総トン)。川崎汽船ニューヨーク航路就航の高速ディーゼル貨物船。日華事変後は海軍特設水上機母艦として活躍。1943年5月28日ニューアイルランド島北西沖で米海軍潜水艦スキャンプの雷撃を受け沈没。
世界の艦船1997年5月号『思い出の日本貨物船(9)金華丸/乾坤丸』 海人社
金華丸・・・1938年2月川崎造船所で完成(9301総トン)。国際汽船所属高速ディーゼル貨物船。横浜〜サンフランシスコ間の横断記録を作る。第二次世界大戦中は陸軍に徴用された。1944年11月マニラ湾で空爆により沈没。
乾坤丸・・・1935年6月三井物産造船部玉工場で完成(4574総トン)。乾汽船所属中型ディーゼル貨物船。インド航路に就航。1942年12月21日トラック島からブーゲンビル島へ向かう途中、米潜水艦ガトーの雷撃を受けて沈没。
世界の艦船1997年4月号『思い出の日本貨物船(8)敦賀丸/富士川丸』 海人社
敦賀丸・・・1916年6月三菱長崎造船所で完成(7289総トン)。日本郵船Tクラス貨物船、欧州航路に就役。1942年1月24日ボルネオのバリクパパン上陸作戦に従事中蘭潜水艦K−18の雷撃で沈没。
富士川丸・・・1938年7月三菱長崎造船所で完成(6938総トン)。東洋海運ディーゼル貨物船、北米定期航路に就役。太平洋戦争中は海軍に徴用され特設航空機運送艦として使用される。1944年2月17日トラックで空襲を受け沈没。
世界の艦船1997年3月号『思い出の日本貨物船(7)小牧丸/鹿野丸』 海人社
小牧丸・・・1933年11月27日播磨造船所で竣工したディーゼル貨物船(6465総トン)。国際汽船所属ニューヨーク航路に配備。第二次世界大戦中は海軍特設航空機運搬艦として使用される。1942年4月18日ラバウルで被弾、着底。船体は現在でも埠頭して使用されている。
鹿野丸・・・1934年8月10日浦賀船渠で完成(6940総トン)。国際汽船所属ニューヨーク航路に配備。第二次大戦中は海軍特設運送船として使用される。1942年7月31日キスカで被雷、放棄される。
世界の艦船1997年2月号『思い出の日本貨物船(6)幸和丸/辰和丸』 海人社
幸和丸・・・1929年6月浦賀船渠で竣工(5847総トン)竣工後、船名を恵昭丸と改名。昭和商船所属。第二次大戦中は海軍に徴用され特設運送船(雑用)として使用される。1943年10月12日ラバウルで空襲を受けて沈没。
辰和丸・・・1938年2月三菱重工業神戸造船所で竣工(6332総トン)。辰馬汽船所属。第二次大戦中は海軍に徴用され特設運送船(雑用)として使用される。1945年5月10日瀬戸内海倉橋島沖で触雷で沈没。戦後引き揚げられ播磨造船所呉船渠で復旧するが1954年5月南シナ海で台風に遭遇し沈没。
世界の艦船1997年1月号『思い出の日本貨物船(5)明石山丸/かんべら丸』 海人社
明石山丸・・・1935年6月三井玉で竣工(4551総トン・和辻春樹設計)。三井物産船舶部所属。太平洋戦争中は海軍に徴用され特設運送船(雑用)として使用される。1944年3月3日千島列島松輪島に向けて航行中、米潜水艦サンドランスに雷撃を受け沈没。
かんべら丸・・・1936年5月三井玉で竣工(6477総トン・和辻春樹設計)。大阪商船所属。豪州航路に就航。太平洋戦争中は陸軍に徴用される。1942年11月14日ガダルカナル島第2次強行輸送作戦時、空襲で大破炎上放棄。
世界の艦船1996年12月号『思い出の日本貨物船(4)長良丸/野島丸』 海人社
長良丸・・・1934年8月28日横浜船渠で竣工(7142総トン)。日本郵船所属。太平洋戦争中は陸軍に徴用される。1942年11月14日ガダルカナル島第2次強行上陸作戦時空襲で沈没。
野島丸・・・1935年2月13日三菱長崎造船所で竣工(7142総トン)。日本郵船所属。太平洋戦争中は海軍に徴用される。1942年10月13日キスカ島に軍需物資補給中、米軍反復攻撃で船体放棄(死者無し)。
世界の艦船1996年11月号『思い出の日本貨物船(3)東寧丸/富津丸』 海人社
東寧丸・・・1941年4月大阪鉄工所桜島工場で完成(4930総トン)。大連汽船所属。標準船型B型貨物船とほぼ共通。1943年10月1日カロリン諸島海域で米潜水艦ペトーの雷撃で沈没。
富津丸・・・1937年11月三菱重工神戸造船所で完成(2931総トン)。大阪商船で大阪〜仁川〜鎮南浦航路に投入される。戦時中は海軍に徴用され特設砲艦兼敷設艦として使用される。1944年10月22日悪石島南東沖で米潜水艦シードックの雷撃で沈没。
世界の艦船1996年10月号『思い出の日本貨物船(2)飛鳥丸/愛宕丸』日本郵船歴史資料館写真提供 海人社
飛鳥丸・・・1942年11月11日英デイヴィッド&ウイリアム・ヘンダーソン造船所で完成(10819総トン)。日本郵船でボンベイ航路・シアトル航路・ニューヨーク航路・東航欧州航路に就役。戦時中は陸軍の徴用船。1944年1月10日米潜水艦シーウルフの雷撃で沈没。
愛宕丸・・・1924年11月28日英リスゴー造船所で完成(7543総トン)。日本郵船所属。戦時中は応急タンカーに改造され佐世保鎮守府所属。1944年11月28日ミリで爆撃のため着底。
世界の艦船1996年9月号『思い出の日本貨物船(1)大興丸/第十八御影丸』 海人社
大興丸・・・朝鮮郵船の朝鮮〜内地航路貨客船として1937年3月竣工(2985総トン)。戦時中は特設砲艦兼敷設艦として使用。1994年7月14日セレベス島南東沖で米潜水艦サンドランスに撃沈された。
第十八御影丸・・・武庫汽船の中型貨物船。1937年2月竣工(4319総トン)。1944年5月10日ヤップ島沖で米潜水艦シルヴァーサイズの雷撃で沈没。
(05.03.29新規)