いにしえの物達

最新の物には惹かれます。
新しい製品が出るとワクワクします。
今度は、どんな事が出来るようになったか、性能はどれだけ上がったか?。
でも、それだけ?
古い物だって惹かれます。
新しい物にない、いぶし銀のような物が世の中にはあります。

『ぼくらの鉱石ラジオ』小林健二著 筑摩書房
 鉱石ラジオ・・・最初のラジオ受信機です。ゲルマニウム・ラジオや真空管ラジオが出来る前、人々は鉱石ラジオでラジオを聴いていました。
 その鉱石ラジオを自作する方法と歴史を書いた本です。使う鉱石の種類・コイルの巻き方・アンテナの作り方・バリコンの作り方まで丁寧に解説されています。
 そして、ラジオが聞こえる原理を判りやすく書いてあります。
 著者自信が作った美しい鉱石ラジオ達・過去の懐かしいラジオ達のカラー写真も多数掲載されており、これを見るだけでも十分楽しめます。
 「鉱石ラジオ・・・なんて美しいラジオなのでしょう」と思える本です。

『砂時計の書』エルンスト・ユンガー著 今村考訳 講談社学術文庫
 砂時計・・・実用品としては、ほとんど使われなくなった時計。くびれた胴体を静かに流れ落ちていく砂。
 その砂時計を中心として種々の時計の歴史について書いた本です。日時計・水時計・火時計・歯車時計の歴史もしっかり書かれています。(これで半分ぐらいの分量があります)。
 残りは砂時計の歴史・種類・制度を高めるための努力・文学の中の砂時計・絵画の中の砂時計・治療薬としての砂時計などなど図版多数で講談社学術文庫にしては珍しく読みやすい一冊です。
 でも、いろいろな砂時計があるんだ・・・ノスタルジーをそそる一冊です。

『別冊宝島(360)レトロおもちゃ大図鑑‐オタクのルーツ!駄菓子屋おもちゃ2000点!!』宝島社
 駄菓子屋で売っていた「おもちゃ」。それも少し怪しいモノってひかれませんでしたか?
 ありとあらゆるモノを売っていたような気がしています。
 私は塾の帰りに立ち寄りました。どちらかと言うと模型屋の方が良く行っていた方ですが・・・。
 でも、この本に出てくるモノたちを見ていると懐かしいのです。
 この本は、そう言う本なのです。地域別駄菓子屋ルポも載っていて地域差が微妙にあることも発見できます。
 しかし、これだけのモノが今まで残っていること自体が驚異的に感じる私です。
 (01.02.12新規)

『昭和B級文化の記録‐まぼろし小学校』串間努著 小学館
 昭和戦後の小学校の記録。色々なものがモノがありましたねぇ。
 通学路での買い食い・行商人、教室での色々なもの(算数セット・電子ロック・象に踏まれても壊れても筆箱・ロケット鉛筆など)、特別教室、給食室、校庭、保健室、教室、図書館、放課後、学校歳時記などなど懐かしいモノの数々。
 多くの人達のアンケートが支えています。
 串間努の徹底的な調査が懐かしい疑問を徹底的に解明してくれる、ノスタルジックな一冊です。
 とにかく懐かしいなぁ・・・「あった、あった」って言葉がいくらでも読んでいると出てきます。
 (01.06.17新規)

『まぼろし万国博覧会』串間努著 小学館
 上記の『まぼろし小学校』の続刊です。
 1970年に大阪で開催された万国博覧会の記録です。
 当時の未来予想の品々が展示されました(例えば人間洗濯機)。
 日本中の人々が注目して、並んで並んでパビリオンに見に行ったモノです(私も5歳の時に親に連れられて行きました)。
 その万国博覧会の全記録です。非常に多くのアンケートやインタビューがしっかりと裏付けているのです。
 当時のパビリオンのコンパニオンのお姉さんのインタビューまで載っているという徹底的なモノ。
 (01.06.17新規)

『チビッコ三面記事‐子どもの事件簿』串間努著 筑摩書房
 戦後昭和の子ども達のニュースファイルです。一人旅の大記録・学級委員選挙買収事件・放火・イタズラ電話・無免許運転・睡眠薬乱用・狂言事件・防空壕生き埋め事件・通り魔・花売り娘・蟹でギャンブルレース・シンナーとトルエン・偽物・幸運の手紙・キックスケーター・探偵ごっこ・昆虫採集禁止・危ない花火・催眠術事件・心霊写真ブーム・失神遊び・死のプロレス遊び・チクロ問題・子ども銀行詐欺・少女売春・・・などを取り上げながら戦後の子ども達の行動と大人の関係を取り扱ってます。基本的には大人達の身勝手さへの批判がずっと流れています。「遊び場を潰しておきながら外で遊べなんて勝手すぎる」という意見には大いにうなずけます、同時に安易なノスタルジーに対する批判も・・・民俗学的にも、面白い1冊です。
 (05.01.12新規)

『子どもの替え歌傑作集』鳥越信 平凡社ライブラリー
 以外と誰も研究していなかったテーマの一つが「替え歌」であります、そこに目を付けた筆者が色々な子どもの替え歌を集めた1冊。取り上げられた曲は70曲・・・「鉄道唱歌」「われは海の子」といった唱歌・童謡から「サザエさん」「ガッチャマン」などのアニメの曲、軍歌・流行歌まで取り上げています・・・堅苦しい分析も無く楽しく読める1冊です。残念なのは著作権の関係で取り上げられなかった曲があると言うことと古い歌が多いことであります・・・第2弾が出ることが楽しみです。
 (05.05.23新規)

『おもちゃの歴史』フランソワ・テメル著 松村恵理訳 白水社文庫クセジュ
 正しくはフランス近代の「おもちゃの歴史」と言った本です(18世紀以降)。
 前半は動くおもちゃの歴史。後半は人形の歴史。
 全体的には図版が多い。ただし聞き慣れない固有名詞が多いのは困ります、もっと図版を!って感じ。
 ただし、人形史の知識を得たい方にはオススメ。
 全体的には「フランス万歳・ドイツ大嫌い」が鼻につくのが気になります。これがなければもっといい本なのに。
 (01.09.15新規)

映画『テルミン』スティーヴン・M・マーテイン監督 DVDアスミック
 1920年ロシアで開発された最古の電子楽器がテルミンです。手をテルミン本体に一切触れずに演奏する楽器は当時の世界を風靡する。しかし開発者レフ・テルミン博士は1938年突然アメリカから姿を消してしまうのだ。
 博士の行方を追った弟子クララ・ロックモアをはじめ現代までテルミンを伝える演奏者達を追ったドキュメンタリーです。
 独特な音色を奏でる不思議な楽器に魅せられた人々のお話です。最後には運命の再会があります。
 ちなみに、この映画の劇場用版フレットにはテルミンの回路図が掲載されています。腕に覚えがある方は作られてみてはいかがでしょうか?。
 (02.03.01新規)

『祝祭の〈帝国〉‐花電車・凱旋門・杉の葉アーチ』橋爪紳也 講談社選書メチエ
 明治から昭和初期までの大日本帝国の祝い事を言祝ぐ数々のオブジェクト、それも今ではほとんど見られなくなった物達です。
 舶来の祝祭装置に伝統的な「祝い」の演出技術が加わったモノが花電車・凱旋門・杉の葉アーチなのです(今となってはほとんど見ません)。
 特に明治から大正にかけては日新・日露戦争の勝利や皇室関係の祝い事が相次ぎました、それを祝うための装置が必要なのだったのです。それが大日本帝国の団結を強めるためでもありました。そんな装置の由来と発展、そして終末を判りやすく解説した好著です。
 (02.10.27新規)

『20世紀モノ語り』紀田順一郎 創元ライブラリ
 20世紀、即ち明治・大正・昭和・平成の四代に渡る事物の起源と変遷を1項目2ページ162項目で語る事物事典。
 作者のエンサイクロペディア能力が全開の一冊です。
 アイスクリーム・悪女・駅伝・学生運動・芸者・珈琲・下着・女学校・女囚・心中・スカート・スリ・整形・性病・脱走・男色・痴漢・デマ・夏休み・ヌード・発禁本・美人コンクール・文庫本・ホタル狩り・妾・野球・ラムネ・流行語・・・などなど桶本康文のイラスト付きで楽しく解説してあります。大変読みやすい一冊です。
 (03.04.16新規)

『昭和なつかし博物学‐「そういえばあったね!」を探検する』周達生著 平凡社新書
 もう昭和が終わってしばらく立ちます。昭和時代、日本人と動植物の日常関係は今よりもずっと濃密でした、そのなかで消え去ったいろいろなものを筆者は探っていきます。洗顔術に使ったウグイスの糞・象のウンコ・ガマの油売り・ヤマガラの芸(おみくじを引いてくる)・医療用ヒル・オクリカンクリ・金魚すくい・メダカすくい・ひよこすくい・菊人形・タコ壺・オカヤドカリ・綿菓子・ウミホオズキなどなど・・・特にウグイスの糞の調査には力を入れています。懐かしさがあふれている1冊です。
 (05.09.25新規)

『日本初「水車の作り方」の本』吉田耀子著・寺垣豪憲画 小学館文庫
 いまや、ほとんど滅び去ろうとしている水車の本です。
 でも、どっこい水車は生き残っているのです。精米・揚水・粉ひき・陶土ひき・鮭捕獲・からくり水車に・・・。
 生き残っている水車を紹介しながら、実際に水車をつくる方法を紹介するという変わった一冊です。別に水車を作ろうなんて思わなくても読んでるだけで「なごむ」一冊であります。
 (03.06.08新規)

『子どもの頃の「大疑問」‐こちら、思い出探偵事務所』串間努著 大和書房
 子どもの頃の色々なことで思い出せないこと、クビまで出かかっているのに出てこない記憶を解決しようと言う本であります。
 替え歌・駄菓子・飲み物・アニメ・コミック・本・遊びなどなど、思わず「懐かしい」と唸ってしまうようなモノばかり・・・でも答えが出なくて「情報募集中」のものも多数。
 とにかく「懐かしい」の一言です。巻末の「昭和子ども向けテレビ番組年表」はとっても貴重です。

『明治がらくた博覧会』林丈二著 晶文社
 100年前に戻れる本。見たこともないのに懐かしさに浸れる本。
 腕時計・手帳・ペン先・遊技盤・口風琴・眼鏡・貨幣・缶切・釜・氷・茶・水呑・蜜柑・枕・座布団・朝顔・バケツ・束子・洗濯・病用具・甘い薬・目薬・歯用具・亜鈴・体量計・達磨・ビリケン・キューピー・象の像・尋ね鳥・地口行灯・電信柱・梯子・旗・錠前・沓刷・展望塔・飛行器・風船・手漕船・ブランコ・滑り台。
 懐かしい広告や新聞記事・写真と筆者独特の読みやすい文体が過去に誘ってくれます。
 (04.01.07新規)

『蒐集する猿』坂崎重盛著 ちくま文庫
 ふと気づくと自分の部屋ががらくたの山になってしまった人、それが筆者であります(人ごととは思えない)。ひょうたん、林立するステッキ、東京本、昭和初期のエロ・グロ・ナンセンス本、富士山画、帽子・・・とにかく集めます、ものだけでなく、それが掲載されている本も・・・特にステッキや帽子、ひょうたんなどは・・・コレクターとして立派であります。文章も読みやすいし、昔の本から抜粋された絵も多数であります。貴重なのは「ステッキ・ガール」(男性のステッキ代わりに腕に捕まり買い物や食事を共にする女性、1920年代に現れた)の記述であります。
 (04.09.01新規)

『奇天烈!古本漂流記』北原尚彦著
 本業は作家で翻訳家である筆者が集めた「奇天烈」古本を紹介する本。とにかくトンデモ本のオンパレード・・・児童書(トンデモ翻訳のターザンやタイムマシン)・絵本・SF(SF宝塚歌劇)・コミック(アメリカのトンデモ・コミック、貸しマンガ)・小説(金日成の翻訳の『15少年漂流記』、エッチな『星の王子様』)・ノンフィクション(大正・昭和初期の事件簿、何の役に立つか判らない妙術集)などなど、よくぞ集めましたと言う1冊です。
 (05.07.03新規)

『明治商売往来』仲田定之助著 ちくま学芸文庫
 明治時代の東京を当時生きた作者が昭和になって振り返って書いた作品、まだコンクリートに包まれる前の東京が生き生きと描写されています。内容は「みせがまえ」「こあきない・てじょくにん」「ゆうらく」「のみもの・たべもの」「のりもの・ともしび」「きぐすり」「そのほか」になっています。あくまで作者の視線で当時の様子を書いている上、書かれたのが戦後なので文書も大変読みやすいです。写真や図版も不鮮明ながら掲載されています。東京に雑多な人々がうごめいていた頃のお話です。
 (04.10.17新規)

『明治/大正/昭和日米架空戦記集成』長山靖生著 中公文庫
 明治から戦争中昭和に書かれた架空戦記を「空中戦」「新兵器」「諜報戦」「さまざまな銃後」の4つのテーマに分けて11の短編を掲載した本です。SF小説で有名な海野十三から戦後推理小説家として有名となる横溝正史まで多くの人が書いているのが注目点であります。作品の特長として架空戦記お約束の秘密兵器が出てくることとスパイに対して異常に関心が高いことが言えます。
 (05.08.22新規)
『海野十三戦争小説傑作集』海野十三著/長山靖生編 中公文庫
 上記の本の関連本であります。戦時下に発達した戦争小説の中でも異彩を放った海野十三が昭和12年から19年に書いた短編小説を1冊にまとめた本です。海野十三は元々SF作家でもあったので作品の中に「科学する心」を必ず含ませ、同様に「戦争は見つめなければならない現実があり、いかに被害を最小にするかの対処法」も含ませているところが他の作家と違うところであります。掲載された作品は11作品であります。
 (05.08.23新規)

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