古典と今様ロボット

 ロボットといえば「セリオ」とか「サキ」とか「MAICO」とか「シーグル」とか「アルファさん」とかを思い出しそうですが、まず彼女たちの御先祖様たちを、そして現在を知ることから始めましょう。そのための本です。
 それでは、ご紹介をはじめましょう。なお小説の本文内容には詳しく書きません。読んでのお楽しみです。
 まずは、古典的ロボットから始めましょう。

 『R.U.R(エル・ウー・エルと読みます)』岩波文庫
 と、書くと何のことかと思いでしょうか邦題『ロボット』カレル・チャペック著と書けば
おわかりでしょう。世界で最初に「ロボット」と言う言葉を使用した作品です(1920年)。
 内容 ロッスム・ユニバーサル・ロボット工場で人間の変わりに労働をする機械(ロボット)が
反乱を起こし人類抹殺を行うという、お話。欧米に多いロボット対人間の元祖と言えるべき作品。
欧米では、「人間対ロボット」の構図やたらと多いです。思い出してみましょう。
 例・スターウォーズの帝国軍(悪役)がロボット・スタイル、そして反乱軍(正義側)が生身の人間スタイルと、いうのが典型的(彼らはロボットではないですが)。もっと、極端な例もたくさんあります。思い出して見ましょう。(最近は変わって来たみたいですけど、でも「マルチ」の発想は出来ないでしょう)
 これらは、西欧文明共通のようです。
 ちなみに「ロボット」の語源「ロボータ」はチェコ語で「奴隷」「奴隷のように働かされる者」という意味です。
 チェコ語で世界的に通用するは他に「ピストル」がありますので参考までに。

『未來のイヴ』ヴィリエン・ド・リラダン著 斎藤磯雄訳 創元ライブラリ文庫
 題名からして古い作品、1886年に書かれた作品です。翻訳も旧かな・旧漢字で読みにくいのですが慣れれば味わい深いものです(この作品は特に)
 内容・主人公エワルドは恋人の素晴らしい美貌と反比例する卑屈な魂を見かね自殺まで考える。彼のためエディソンは彼女と同じ肉体の人造人間ハダリーに作り出し理想の魂を埋め込む。
 ようするに、現実の女性に失望した男が人造人間に夢を託した、お話。
 この作品ではじめて「アンドロイド」という言葉が使われました。即ち、「アンドロイド」は誕生当時から「そういう目的」のため作られし物体なのです。今のメカフェチは、ある意味でまっとうで正統派なのです。

『メトロポリス』テア・フォン・ハルボウ著 前川道介著 創元推理文庫
 映画の方が有名な作品。1920年代最高傑作SF映画『メトロポリス』の原作であります。
 内容・林立する高層ビル、飛び交う航空機、「ヨシワラ」のネオンが夜空を飾るメトロポリス。しかし、地下では大多数の労働者が蠢き続けている。この巨大都市の片隅で、一人の科学者が一体の女性型ロボットを作った瞬間から階層社会の崩壊が始まる(映画とは、多少筋が違います)。
 個人的には映画版がオススメ。ビデオ・LD・DVDが発売中。でも現在発売中のものは1926年版の作品。(元々、無声映画なのでBGMが追加されているが、これが、とほほ・・・もの)
 1984年にリメイクされています。これが最高の傑作。元々の作品に一部着色、効果音、音楽を加えた作品。音楽にはフレディ・マーキュリーなどが参加。1920年代色たっぶり、アール・デコからダダイズムへの移行期(ロシア・アヴァンギャルド的要素もあり)の場面背景装置を見るだけでも価値有り。もしレンタル店でリメイク版を見つけたら即チェック。サントラCDだけでも価値有り。本より映画を紹介したいために入れています。1984年版DVDの発売希望!。
 登場するロボット「マリア」もロボット映画史上最も美しいといわれる金色女性型ロボット。映画では実際の女優を中に入れて演技させたという凝りかた。ちなみにエキストラが約2万人ほど参加しています。
 この作品、後の色々な作品に影響を与えています。例えば地下の反乱者を鎮圧するために、水を注入するシーンは、まるで『未来少年コ○ン』と同じ。
 
 以上が基本的に、お勧め3作品です。(本当はアイザック・アシモフ『われはロボット』を入れないといけないんですけど未読のため省略→あの有名なロボット三原則が出てくる本です。ちなみに「シーグル」は三原則を知りません)
 では+αを何冊か、紹介させていただきます。

『日本ロボット創世記1920〜1938』井上春樹著 NTT出版 
 『ロボット』『メトロポリス』が書かれた時期に日本でもロボット・ブームが起こりました。小説・演劇・芸術にロボットが数々登場します。ロボットは今と同じように最先端科学の象徴だったのです(一種のブームです)そのさまざまな現象を図面・写真を多用して解説してます。本の作りも凝っていますので一読を!。

『夜想〔17〕未来のイブ』ペヨトル工房刊
 
『日本ロボット創世記』と同じ時期の世界の現象について書かれた本です。「ヒューマノイド」「アンドロイド」「サイボーグ」「マシンマン」まで、ありとあらゆる人型機械と、機械文明が周辺社会や文化にどれだけ影響を与え、人々に思想に影響を与えたか文化に多くの人たちの記述が掲載されている特集号。
 はっきりいって、中身の濃い本です。上記の作品で興味を持ってもっと深く知りたい!と、思ったら一読をお勧めします。

もっと古典的なロボット・・・と言うより元祖は「からくり」でしょう。では「からくり」の本を紹介していきましょう。
ものと人間の文化史〔3〕『からくり』立川昭二著 法政大学出版局
 日本には伝統の自動機械がありました、それは「からくり」です。
 その「からくり」の歴史・種類(例えば能登のかむろ人形・金沢の茶汲人形・大野の三番叟・高山の屋台からくり・高知の茶運人形・東京の杯はこび・西洋のオートマタ)・からくり師の解説が前半です。
 中盤には「からくり」の復元記、後半は「からくり」文明論。付録に「からくり」文献、ぎっちり詰まった内容です。
 特に「からくり」の復元記は読んでて楽しいです。

『からくり人形の文化誌』高梨生馬著 學藝書林
 「からくり」についての本です。特に「竹田からくり」についての記事と江戸期エンジニア列伝・山車からくりについての記事が充実しています。
 山車からくりを見ていると各地の日本人が色々な工夫をして凝ったものを作り出した事が良く判ります。
 最後に愛知・岐阜の山車からくり一覧が掲載されています。
 (01.03.10新規)

それでは今様のロボットの作品でも・・・。
『まほろまてぃっく』中山文十郎+ぢだま某著 ワニブックス
 現在7巻まで発売中。アニメもあり。
 あらすじ・・・独りぼっちの美里優が雇ったお手伝いさんはメイドのまほろさん。真面目で仕事好き優しく心清らか、でもまほろさんはロボット(アンドロイド)だったのです。そこから始まる珍騒動とハートフル・コメディ。
 まほろさんは正式名称V1046−R型ヴェスパー・ハイパー・ソルジャーMAHORO、最強のアンドロイドだったのだが武装解除してメイドになったのだ。見た目は普通のかわいいメイドさん、悩みは微乳・・・これは、好みの問題だと思うんですけど(私情)。限られた残り寿命の中で彼女は、どうやって過ごしていくか・・・。
 でも、温かいお話です(どたばたしてるけど)。お勧めのコミックです。
 (03.09.27改訂)

『PUREまりおねーしょん』高木信考著 メディアワークス
 全2巻。コミックです。
 ワッフル女学院に入学した「紅葉あのん」の目標は友達100人作ること。新入生の代表として「挨拶」を呼んだ彼女の正体は「マリオネット」と呼ばれるアンドロイド。あのんは、それを隠して学園生活を送り友達を作っていくのです。
 高木信考待望の第2作は「萌」テーストと「百合」テーストを満載した学園ハートフルストーリー。とにかく絵のかわいさは殺人的です、是非一読して萌死んでみるのもいかがですか?
 (04.08.10改訂)


 文中、間違い等があるかもしれませんが、その時は許してくださいね。

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