| ミポリンの日本滞在記 (その2) ◆ミポリンの日記 ミポリンこと金美穂さんの日記(ベイエリアの仲間にあてたメール)のつづきです。 狭山の現地調査で考えたことをくわしく報告してくれています。 多少は,岸本姉弟に会って以降,学習してきたものと思いますが,ムミアやマルコムXとの共通点に思いをはせたり,わずかの間に日本の司法の問題点について,見抜くあたりは,さすが。
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◆狭山 ●丸木美術館 狭山に着いて,石川さんの連れ合いのさち子さんとあねさん(石川一雄さんの兄の連れ合い)に連れて行っていただいた丸木美術館は,とくに原爆記念が近い今,思いたい人物です。 丸木伊里、俊カップルは画家として"原爆の図"を30年にわたり描き続けました。体育館の壁いっぱいになるほどの大きなパネルに力強く描かれたさまざまな戦争の絵は,見ていて身の毛がよだつものでしたが,同時に生命の尊さを思い起こさせるものでした。 15のパネルを見終わって,随分の人のデッサン見たなぁ、と何気なく思ってふと見ると,俊さんのコメントが貼ってありました。"30年かかって900人以上の人々をデッサンしてきた。すごい数だけれども、原爆で死んだ人々は一生かけても描けないぐらい多い数"といったふしがあって、ドキッとしました。 ●現地調査 で、狭山市で一晩過ごして,狭山事件の現地調査に行きました。日本の司法制度のお粗末さに口があんぐり。本当に、石川さんを無罪にできない日本の司法はだれの権利をも簡単に略奪できるものだと恐ろしくなりました。 日本部落解放同盟の中央本部には狭山闘争本部があって(安田さんと言う)、そこで色々資料が入ります。MUMIA解放運動とか共通点が多すぎる! で,本当に国際的な連帯が望めると思いました(というか,それが必要だ!)。 石川さんも仮釈放で出てきているものの,60歳代で,「両手に見えない手錠がかかっている間は牢獄にいる間になくなった両親の墓にも行って手を合わせることができない」と言っています。 彼は,文字を奪われた部落の人でした。差別と偏見により,徹底的に部落に集中して犯人を捜した警察は、彼を"男の約束だ"とだまして,ウソの自白をはかせた上、死刑判決まで持っていったのです。でも,石川さんはニコニコしていた。"男の約束"で、"10年で出られる"と言ってくれた警察を信じていたからでした。差別が生んだ貧困と無知に付け込んで事件の解決を成立させた,今の,その時でもたった40年足らず前でもこんな事があったんです。そして今でも彼は報われていない。 でも彼は,マルコムの様に牢屋で文字を獲得した。自分の無実を訴えるために。そして連れ合いのさち子さんとその戦いは今も続いています。人の人生を,命を,ここまで粗末にできる国家の権力は本当に何なんでしょう? という怒りが思わず涙になってしまって,一番苦しい石川さんは絶対泣かないのに,恥ずかしかった・・・・。 ●あほくさおままごと裁判ごっこ ちなみに、狭山事件の現地調査に行って、それまでは"これは冤罪で,部落差別によって無罪の石川一雄さんが警察やマスコミに犯人にでっちあげられ,死刑判決を受け,無期懲役で32年間牢獄にいたケース"としか知りませんでした。でも,石川さんが書かされた(複雑なプロセスで成立したものだが、私の自己判断で「書かされた」と、あえて書きます)自白通り現場を歩いてみて,裁判で有罪判決を正当した"証拠"とその裁判官の議論を知り,要するに、これは"ないとはいえない"合戦の上に成り立っている"あほくさおままごと裁判ごっこ"に他ならない、といういとも単純な感想でした。 皆さん,もしあなたが宿題を忘れたからといって教授に罰をくらったら,単にこう言いましょう:"私は、宿題をしていないとはいえない。",あるいは一段落アップして,"私は,宿題を犬に食べられてないとはいえない" これで、あなたも立派な日本大国の裁判官です! 私も、今から"私はJulia Robertsでないとは言えない"で通すことにします。だって、"ないとは言えない"は理論的にどう反論しますか? というか、反論できますか? 刑事裁判で、"ないとは言えない"議論は国際司法社会では"悪魔の理論"と言われているそうです。なぜなら、この議論は,反論できないからです。狭山事件の例を借りましょう: 1."被害者は,下校中に郵便局に寄って,ペンのインクを換えてないとは言えない" 石川さん宅で,家宅捜査が3回目に行われたとき(1,2回目で見つからないこと自体おかしいが),初めて勝手口上で発見された被害者の物と言われたペン。石川さんが被害者を殺した後,このペンを自宅に持って帰ってポイと鴨居の上に置いたとして証拠として提出された。 でも弁護団は,被害者が下校寸前までに使ったペンのインクとこの証拠のペンと,色が全く違うことを指摘。 そこで出たのが,この裁判官の反論です。これが、石川さんを殺人犯と断定した"重要証拠"のひとつです! そりぁ,それを言えば,なんだって言えますよね。でも,これでも懲りない方のために,もうひとつ: 2."たまたま、被告が祭りの場を通った際には祭りの音楽が停止していなかったとは言えない" 石川さんは,「自白」によると,当日荒神様のお祭りの場を通ったと言う。祭りから数キロはなれた茶畑で1日中作業をしていたおじさんは,"祭りの音楽が聞こえた"と言ったけど(この証言も死刑判決の18年後に始めて弁護団に開示された!)、石川さんは音楽を聞いていないとある。 大体,地元の人が集まる小さな祭りで,若い貧しい身なりの石川さんが通ったら見知らぬ人にでも目に留まるはず。でも、証人はいない。祭りを過ぎても音楽が再生されれば,遠くても聞こえたはず。 にもかかわらず,あっさり裁判官さん,出ました:"ないとはいえない"攻撃でまたもや弁護団の主張をいともあっさり却下。 もっとありますけど,今バラしてしまうと報告会のとき,バラすことがなくなるのでここらへんにしときます。とにかく,おえらいさんじじぃの日本の司法は何言っても絶対なんですよ。大体いまだに検察側しか見てない(つみあげたら)2メートルにもなる証拠が,弁護団に開示されていない。これで、公平な裁判な裁判なわけないし、だからこそ工業国ではすべて、証拠開示が義務付けられているではないか! オォコワ。 ゲンチャリでスピード違反して,もし都合悪くつかまったらあれよあれよという間に赤軍の"テロ"犯人に仕立て上げられるで。被差別者は特に要注意!くわばらくわばら。 さて,私はアメリカでも燃えるでぇ! と力んだのはいいのですが、キャンペーンを展開するため,及び,Educationのための英語でのツールがない。狭山闘争部の安田さんに「ビデオあったら英語の字幕スーパー入れてぇん」と,岸本さん,私,そしてもう1名の(岸本さんのほぼ家族)お世話になった美也子さん3人で頼んだのですが,どうもかしまし娘のジョークと勘違いされたらしいのか,いまだ返事待ちです。何かアイディアあるいは腕ある方,お願いします! |
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