陽関/玉門関/夜光杯

陽関は唐代の有名な詩人、王維が有名な詩を詠んでいます。

渭城朝雨潤軽塵  渭城の朝雨 軽塵をうるおす
客舎青青柳色新  客舎 青青 柳色新たなり
勸君更盡一杯酒  君に勧む更に尽くせ 一杯の酒
西出陽関無故人  西のかた 陽関を出ずれば 故人無からん

渭城は長安から渭水を越えた北西の地です。
王維は西域(トルファン)に赴く友人をそこまで送って酒を酌み交わしたのでしょうか。
陽関から先は知っている人もいない、という一節は鼻にツーンときます。
陽関が漢民族の力が届く西の果てだったことが分かります。


玉門関も詩人に詠まれています。

黄河遠上白云間
一片孤城万仞山
羌笛何須怨楊柳
春光不度玉門関

じく唐代の詩人、王之渙の詩です。
これも、辺境の孤城の身では、春が玉門関を越えてはやってこないと嘆いています。


ついでにもう一つ。

シルクロードのお土産の一つに夜光杯があります。
夜光杯は祁連山(きれんざん)で産出する石を削って作った緑色をした杯です。
月の光にかざすと妖しく光って見えるというもので、石の厚みが薄く、光がよく通るものが良品だそうです。
その産地の本場は敦煌よりもっと東寄りの酒泉だったと記憶していますが、敦煌にも工場がありお土産として売られているようです。

葡萄美酒夜光杯  葡萄の美酒 夜光の杯
欲飲琵琶馬上催  飲まんと欲して 琵琶馬上に催す
酔臥沙上君莫笑  酔うて沙場に臥す 君笑うなかれ
古来征戦幾人回  古来征戦 幾人かかえる

やはり唐代の王翰の詩です(なんか唐代ってスゲェな)。
酔いつぶれても笑わないでくれ、これから戦場に行くのだから、というこれまたもの悲しい内容です。