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アケビの栽培

アケビ科アケビ属  原産

 ポイント

☆アケビ科の蔓落葉低木で、日本全土に普通に見られます。☆
☆雌雄同株で蔓(つる)で他の木に巻きついています。☆
☆古いものになると木質化します。☆
☆秋になると果実の口が開き、中の白い果肉が姿を現します。☆
☆受粉に成功すると10cm前後まで成長する果実をつけます。☆
☆果実の中の種を包む胎座が甘い。☆
☆果皮は少し苦いのですが、中にひき肉を詰めて油で揚げたり、細かく刻んで味噌で炒めたりして、山菜料理としても親しまれています。☆
☆新芽を山菜として利用している地域もあります。☆
☆栽培の歴史は十数年前からです。☆
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栽培暦

 

 

主な品種

 

○アケビの仲間には、アケビ、ミツバアケビ、ゴヨウアケビの3種類があり、葉で見分けられます。
○アケビは小葉5枚からなる掌状複葉で、小葉は楕円形で縁に鋸歯がありません。
○ミツバアケビは小葉が3枚で、縁に波状の大きな鋸歯があります。栽培にはミツバアケビを使います。
○ゴヨウアケビは小葉は5枚ですが縁に鋸歯があり、アケビとミツバアケビの雑種と考えられています。
○ムベ(トキワアケビ)  5枚のやや大きな小葉をつける。常緑で、冬もつやつやした葉をつける。
栽培方法

 

(1)アケビの利用方法

○アケビの利用方法は果肉だけではありません。芽、つる、果実と様々な利用方法があります。

 


アケビの利用方法
部 位 利 用 方 法
新 芽 木の芽と呼ばれ、古くから春の山菜として珍重される。
果 肉 生食として菓子類にはない上品な甘さあり。
刻んで味噌炒めにしたり、中に味付けした挽き肉やキノコなどを詰めて
蒸し焼きにしたり、油で揚げて食べる。
つ る 漢方薬で木通(利尿、鎮痛、排膿)、つる細工の材料
種 子 漢方薬で木通子(利尿、鎮痛、排膿)

 

 

(2)増 殖

○苗木は苗木商より購入できますが、挿し木による方法で大量増殖も可能です。
○挿し木が容易な樹種とは言えませんが、前年枝を使用して7月に挿し木を行うことにより5割の発根が認められました。
○同時期であれば当年枝でも同程度の発根率は期待できます。
○挿し付け方法や系統によって発根率が極端に悪くなることもあり注意が必要です。

 

 

 

(3)植 栽

○アケビはつる性の植物であることから、栽培に当たっては棚などの施設が必要です。
○平棚仕立てが一般的です。
○適地の範囲は広いと考えられますが、高品質の果実が生産されている場所は日当たりが良く、肥沃土壌で排水の良い緩傾斜地です。
○苗木を植えてから2〜3年で結実しますが、樹冠の広がりがあまり大きくならないことから棚仕立てで10a当たり200本程度を植栽します。
○その後順次状況に応じて間引きを行います。
○アケビは雌雄同株ですが、自家不和合性を示す果樹であることから植栽に当たっては他系統の混植が不可欠です。

 

 

 

(4)施 肥

○成木の場合の施肥は、春と秋の収穫後に窒素成分量で10a当たり年間20kg程度とします。
○6〜7月の施肥は果実の品質低下を招くため行わないようにします。
○肥料は果樹用の有機配合肥料や化成肥料で十分です。

   
  (5)摘 果

○授粉が確実であれば、一雌花に4〜5個の果実が結実します。しかし、このままでは収穫時に小さな果実しか得られないので、6月下旬までに数回に分けて摘果を行い、最終的には一雌花当たり1〜2個とします。

 

 
  (6)収 穫

○収穫時期は果実全体が紫色に着色し、果実に弾力がでて縫合線部分が白くなった頃です(口が開く3〜4日前)。
○果実は口が開いてしまうと商品価値を失うため、注意を必要とします。

 

ア ケ ビ
栽培・経営の特徴
 アケビは果実(皮)を主体に新芽(木の芽)やつる(つる細工)の需要もあり、収益性の高い作目である。栽培は棚仕立て(写真)で行い、収穫まで3〜6年かかるが、成園10a当たりの粗収は水稲の役4〜10倍見込まれる(1999年1月現在)。

品種・系統と特性
 栽培用に固定された品種はないので、山取りにより苗木を育成する。県内自生のミツバアケビには、早熟なものや実が大きく色づきのよい系統があり、果実栽培に適している。
 

 

 

栽培方法
(1)栽培適地
 水はけがよく、保水力のある肥沃な緩傾斜地がのぞましい。日差し、風当たりの強い場所や乾燥地は避ける。

(2)苗木の準備
 購入(一本1,000円前後)もできるが、当初は山中から取り木したほうが費用がかからない。そのためには、あらかじめ(9月頃)結実のよい系統を探しておく。

(3)増殖
 ランナー(ほふく根)を活かして、接ぎ木(割り接ぎ、合わせ接ぎ)や取り木で行う。挿し木は、
鹿沼土や赤玉土を用いるが、時期により発根に良否がある。 

(4)植えつけ
 落葉後から翌春の萌芽前までに右図のように行う。苗木の間隔子は、2〜3mに一本の割合10a(1反)あたり100〜150本)とする。

(5)定植後の管理
 定植後1〜2年は、乾燥に注意して除草をこまめに行い、支柱(案内棒)により主幹をまっすぐに誘引する。また、棚づくりはこの時期に行うとよい。結実するようになったら、右の栽培暦をもとに作業を行うとよい。施肥は、有機質肥料を主体に10aあたりチッソ量で年間10kgの施用を目安とする。
 


苗木の植え付け方法

収穫と出荷
 定植後3年目ぐらいから収穫できる。播種は8月下旬頃からで、果皮に割れ目が入らないうちに行う。出荷する果実の大きさに統一された規格はないが、ダンボールや化粧箱に20個入り程度で2kg詰めものが市場で好まれる。なお、10aあたりの結実収量は、植えつけ5年目で1t、10年目で2tを目標としたい。
 

防除
 防除体系は確立していない。右表の発生にみられる主な病虫害とその防除薬剤を記す。

 

 
肥料やり

 


主な病害虫

 

○うどんこ病、黒点病、すす病の病害が知られています。
○特にうどんこ病は重要病害であり、防除を徹底しないと激害を受けます。
○また、アブラムシ類、カメムシ類等の害虫の被害を受けます。
○これらの被害を最小限に防ぐには、まず第一に日当たりと風通しを良くするように剪定に気を配る必要があります。
○アケビについては現時点で病虫害に対する登録農薬がないため、今後の検討を要しますが、先進地では果樹用の農薬を年間十回程度散布しています。

害虫名 発生時期 薬剤を使わない防除 薬剤を使った防除(注)
      web版大阪府病害虫防除指針参照(PDFファイル)
     
     

病名 発生時期 症状 防除の方法
       
       
       

(注)薬剤の使用にあたっては、必ず、農薬のビン、袋の裏に記載されている対象作物、登録濃度、散布時期、使用回数を守って散布しましょう
※上記農薬についてはあくまで一例としてあげております。