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じゃがいもの栽培

 

ナス科 南アメリカ原産

 ポイント

ナス科間での連作できません
いもで伝染する病害が多いので、毎年新しい種いもを購入します。
☆多収量には浴光催芽を行い、萌芽を早める。☆
☆20〜30cm かまぼこ型に土寄せする。☆
☆春ジャガは霜の害を考慮して植付時期を決めること。☆
☆ジャガイモは湿害に弱いので、排水の良い土地を選びましょう。☆
☆植え付け時期:10p地温が9℃☆
☆いもの肥大とでん粉の蓄積に好適な15〜20℃の地温に近く維持☆
☆収穫は、茎葉の黄変を過ぎ枯凋期に達した後約10日して、芋と土が容易に分離する程度に畑が乾いたときに行う。☆
☆緑化を防ぐため、できるだけ光を当てず、5、6℃ 湿度80%ほどで貯蔵する。☆

栽培暦

 

 

主な品種

 

詳細は 品種と旨味 を参照ください。 
栽培方法

 

(1)畑の準備

○ナス科作物ですが、なす、トマトほど連作障害はありません。1年程度の間を空けます。
○土寄せのために十分な土が確保できる排水によい場所であること。

 

 

 

(2)種いもの準備

○ばれいしょは、栄養器官である塊茎を「タネ」として栄養繁殖する作物です。
○低温下(3度C前後)において貯蔵され強制休眠中の塊茎は、5度C以上の温度条件によって休眠が覚醒して萌芽し、更に10度C以上の地温で地上出芽します。
○栄養繁殖であるため「タネ」として用いる種いもから塊茎伝染性の病害が畑に持ち込まれたり、次代に持ち越されることがあります。種子消毒した種いもを毎作購入します。
○全粒または分割いもの重量が40〜50gであり、平均3〜4本の主茎数が確保できる目数があること。
○貯蔵中の低温で管理された種いもは、眠っています。この休眠を打破するため、貯蔵庫から種いもを出す場合、浴光催芽の10日前から徐々に温度を上げて10日間で10度C程度にしてやることが芽の活性を高めます。
○春は春作用の品種を植え付けます。秋作用の品種は秋作、春作と1年に2作できますが、春作は収量が劣ります。

浴光催芽
○梅雨入り前には収穫したいので、少しでも生育期間を長くしてやるために、 植え付け前に芽を動かしてやる(浴光催芽)技術が必要となります。
○催芽後、芽の動きの悪い物や、病害の発生の認められる物は、取り除きましょう。
○以下のポイントに注意し、しっかりとしたばれいしょの芽を作ってください。

浴光育芽の注意点
◎15〜20度C 育芽長3〜5o
◎凍結、高温障害に注意する⇒ 高温25度C以上は芽が伸びすぎ、黒色心腐誘発
◎満遍なく光が当たるようにする。⇒ 南側を向けて斜めにたてる。
◎催芽中は、一週間に1回上下積み替えを行い、芽の動きの悪いものを除く。
◎光量は直射日光を避ける。 ⇒ 2,3年使ったビニールが良い。
◎期間は25日程度(男爵薯) ⇒ 芽の浅い萌芽の早い品種は15〜20日間程度とする                      (メークイン・ワセシロ・とうや・さやか・ホッカイコガネ)
◎ネット詰め浴光催芽は扱い易いが芽を痛める危険性がある。
◎開始期間は植付け日から逆算して開始 ⇒ 芽は3〜5mm程度、黒々とした芽にする。

種いも切断
◎頂芽を中心に一株当たりの茎数が3〜4本確保できるように確認しながら行う。
◎切り口の乾燥(キュアリング)は完全に実施すること。
◎切断後、2日程度はシートや麻布で覆い、保温後乾燥させるとコルク化し易い。
◎植付け前の4日に種いもを切断する。 
◎60g未満のものは切らずにそのまま利用する。
◎このさい頂芽が各片につくようにタテに切る。
◎切り口を上にして、日陰で乾燥させる。 
◎いも切り時に病いも、腐敗いもを十分に選別する。

  ストロン側 たて切り 頂芽からみた図
 芽数を揃えて切る
ストロン 【stolon】
植物の直立した茎の地際から出た枝が地面に水平に伸び、途中の節から根を出して生長するもの。匍匐枝(ほふくし)。匍匐茎(ほふくけい)。

 

 

(3)植え付け

霜の害
○植え付け時期:10p地温が9℃になる日が出てきたら植えていい。
○放射冷却により気温が−2℃以下になるとジャガイモに霜害が発生します。
○霜にあうと、茎や葉が褐色ないし枯死黒変します。
○しかし、被害の5〜6日後ころより枯死茎の地際部から510数本の側芽や腋芽分枝を再生させてきます。
○枯死した場合など草丈は直後はかなり低く推移しますが、分枝が多いため、葉面積では差のないほど回復していき、後期は十分繁茂し、結果的に枯凋期が何日か遅れます。
○収量への影響は、被害が出芽直後ではほとんど影響しませんが、培土時期の晩霜では、上いも個数やサイズの大きいいもが減少することがあります。
○てん粉価は下がる場合、上がる場合などいろいろです。
○宝塚市切畑では2月後半から3月前半に植付し、3月中旬には萌芽させ、6月中旬(梅雨)直前には収穫します。短い期間に茎葉を成長させ、イモを肥大させます。
○霜害による成長遅れは収穫に大きく影響します。
○霜害対策として、ビニールトンネルを必ずします。
○植付け直後は、地温を上昇させるため、ビニールで密閉します。
○萌芽後は、高温にならないで、かつ防霜のため、ビニールの裾を開けます。

○成長に伴い、かまぼこ型に20〜30cm土寄せをするので、十分な土を確保する。
○3kg/1uの堆肥、100gの有機化成肥料を施し深く耕す。
○萌芽は地温5〜6度Cで始まりますが、茎葉伸長には気温10度C以上が必要です。
○できるだけ浅植えすることにより、萌芽が早くなります。
○植付けの深さは、3cm程度を基準とします。1cm深ければ萌芽が1日遅れる。
○深植えすると地温が確保できず、幼芽の伸長が緩慢となり萌芽が遅延し、黒あざ病のり病率が高くなり、小粒化あるいは極端な多粒化となります。
○萌芽後に晩霜の恐れのあるときは、培土で作物体を覆い霜害から防ぐ。
○畦幅は、十分な培土量を得るためには70〜75pが必要です。株間は、品種・用途により異なりますが、0〜75pの畦幅と30pの株間の組み合わせが基本です。
○植え付けから収穫までの生育日数を長くすることで増収効果が期待できます。
○植え付け手順
  ア 砕土整地を十分に行う。
  イ 排水性が悪いほ場では事前にサブソイラー、心土破砕等を施工する。
  ウ 栽植密度は品種・用途によって調整する。
  エ 覆土は3cm程度とし、極端な深植えはしない。
  オ 植付後直ちに半培土し、地温の上昇を図る。

<秋作の植え付け>のポイント
○高温期の定植になるので種いもが腐らないよう以下のことに注意します。
○種いもは明るい室内に並べいもの表面を緑化させる。  
○植え付けの2日程前に切り、涼しいところで乾燥させる。 植え付けは朝夕の涼しい間に行います。

 

 

 

(4)マルチ(春作)

○春作では生育を早めるとともに雑草防除も兼ねマルチ栽培をします。 
○マルチ栽培では元肥主体にします。マルチをする前に一度雨に当て、うね全面にマルチします。その後、芽が生育してくると暖かい日を選んでカマなどでマルチを破り芽を出します。 
○芽は草たけが10cm程度に伸びた頃、1〜2芽を残し弱い芽を掻き取ります。

   
  (5)土寄せ・追肥

○いもの露光緑化を防止する大事な作業である。下葉のすぐ下までかぶせる。
○草丈が20cmと、30cmに伸びたころ土寄せする。
○一般に追肥はしない。葉の色を見て塩梅する。
○出芽後3週間のいも肥大開始期(茎長は約25p)に、少なくともいもに10pの土が被るようにし(このためには70〜75pの畦幅が必要)、断面がオッパイ〜カマボコ型で山と谷の差が25pになるようにします。
○土寄せ時期が遅すぎるとストロン(stolon)を傷つけ、茎葉を折損して軟腐病や疫病を伝播させ緑化いもを増します。
○培土の高さは25p程度とし、盛り上げる土の量が不足すると、株ぎわが低い富士山型となって、緑化いも、塊茎(疫病)腐敗、褐色心腐、その他の生理障害を受け、収量やでん粉価が低下します。
○カマボコ培土機を多湿条件下でやると、壁塗り状になって後にひび割れを生じ、火山礫が多いとか乾燥しやすい時には培土が崩れるという欠点があります。
○このため、畦間の土を12pの深さまで柔らかくするため、カルチベータをかけるか1週間前に半培土をしておくなどの工夫が必要です。
○また培土と一緒にナタでり底盤を切り排水をよくしてもいい。

 

 
  (5)収穫

○収穫は天気の良い日を選んで収穫します。収穫後は1週間程度風通しの良いところで乾燥させたあと暗いところに貯蔵します。
  (6)秋ジャガイモの植え付けの時期

 ジャガイモは、植えつけてから霜が降りるまでの100日間生育させる。
  一般的には、秋栽培は関東以西の暖地では、植え付けは8月中旬〜9月中旬である。
  霜が降りる日を予想して逆算して植える日を考えるが、早霜のこともあるので注意が必要である。 
 ジャガイモの生育適温は、12度から22度で、23度を超えるとイモの肥大は止まるので、あまり早く植えつけても良くない。 
 イモの形成は、着蕾期から始まるが、着蕾は植えつけてから約5-6週間後。 
 イモの肥大期間は60日間が望ましいが、初霜が遅くならない限り十分な肥大期間は確保できない。
 霜は、風がない場合には、気温がおよそ5℃以下でも発生することがある。

・育芽
 秋ジャガイモは、浴光育芽よりも砂床芽出し(冷床育芽法、芽出し床)が良いようだ。川砂に埋めて、乾燥しないように水をかけておく。
 浴光育芽は、春植えでは直射日光にさらすが、25℃以上の高温になると「黒色心腐」が発生するそうである。秋植えでは、どうするのだろうか。風通しの良い明るい日陰にジャガイモを置いておけばいいのだろうか?

・キュアリング
 秋ジャガイモの植え付けでは腐りやすいので、小芋を丸のまま植えるか、切断する時はよく5日程度キュアリングする。切断は1片が40グラム程度とし、頂芽を通るように、縦に切る。ジャガイモの頂部の芽は、基部に近い芽よりも早く芽が出る。縦に切ると、切断面が大きくなり、腐りやすいので、必ず十分にキュアリングする。キュアリング期間中は湿度を高く保ち、種イモの乾燥を防ぐ。日光に当てて乾燥させるのは種イモが弱る。切断面に灰を塗ると、キュアリングが遅れるので、灰は塗らない。

・植え付け、培土、芽かき
 春ジャガイモと同様に行うが、秋ジャガイモでは、気温が高いので、草マルチを厚めにし、地温が上がるのを防ぐ。植え付け後、2〜3週で出芽するので、2週間で草マルチは取り除く。

・収穫は、霜が降りて地上部が枯れてから。畑にそのままにしておいて、凍らなければ、年を越しても食べる時に収穫してもよい。
肥料やり

 

【元肥・追肥】

○アルカリ性になるとそうか病が発生しやすくなるので、石灰質肥料は少量にとどめます。
○マルチ栽培では、追肥の施用がむずかしいので、全量元肥とします。
主な病害虫

 



害虫名 発生時期 薬剤を使わない防除 薬剤を使った防除(注)
アブラムシ類 4月〜6月
9月〜11月
●周囲の雑草を除く。 web版大阪府病害虫防除指針参照(PDFファイル)
ニジュウヤホシテントウ 4月〜6月 ●じゃがいもを収穫した後、残った茎葉は地下に埋めると、その後の発生を抑えることができる。
     

病名 発生時期 症状 防除の方法
疫病 5月〜6月
9月中旬〜10月中旬 
開花期頃に、株元の葉に暗緑色の斑点ができ、裏面に灰白色のカビが発生する。激しいときには茎葉が腐敗する。 ●健全な種いもを使用する。 ●発病株は抜き取る
そうか病    5月中旬〜6月
11月
いもの表面に盛り上がったかさぶた状の病斑ができる。 ●健全な種いもを使用する。 
●じゃがいもの連作を避ける。 
●石灰質肥料の施用を控える。
       

(注)薬剤の使用にあたっては、必ず、農薬のビン、袋の裏に記載されている対象作物、登録濃度、散布時期、使用回数を守って散布しましょう
※上記農薬についてはあくまで一例としてあげております。