コルト パイソン .357マグナム6インチ   クラウン
コッキング 10才以上用 3,900円
クラウン パイソン6インチ。何か物足らない? そう、フレーム右側のピンが省略されています 2002年8月現在、エアコッキングのリボルバーというと、クラウンから販売されているものだけになる。クラウンのカタログを見ると、同じガンでも、2,500円の「ハイパワー エアーリボルバー(10才以上用)」、3,900円の「スーパー エアーリボルバー(10才以上用)」、4,300円の「ホップアップ エアーリボルバー(18才以上用)」という3種類のシリーズがある。後2つのシリーズは外観はまったく同じ。さらに1,600円の「イージーキット エアーリボルバー(10才以上用)」というのもある。

文字でかくとややこしいが、今回手に入れたのは、3,900円のパイソン。安いほうの10才以上パイソンは以前にレポートしている。弾も出るプラモデルガンとでも言うべきもので、パンパン撃って遊ぶエアガンとはちょっと違う種類のトイガンだった。

そのイメージがあったので、高い方のシリーズも、それにインナーバレルをつけて塗装した程度のものだとずっと思っていた。値段も、ためしに買ってみるには抵抗がある。ところが、掲示板で「あれは別物だ」という指摘をいただいた。某スーパーにも入荷しているそうな。これは要チェックだなということで、スーパーへ行ってみた。

クラウンの製品も新旧あってややこしいが、この青箱が目印です クラウンのパイソンは、ショーケースの中に蓋を開けて並べられていた。艶消し黒に塗装されたボディをガラス越しに見つめる。あ、なんだこれは。見た目いいぞ。やっぱり別物じゃないか。なんで今まで気付かなかったんだ、ということで買ってきた。

ネットで調べてみると、UHCという台湾のトイガンメーカーの製品だということが分かった。シリーズのラインナップも同じだし、パイソンの拡大画像を良く見ると、ASGKの刻印まで同じ位置にある。

結局、クラウンから販売されている2つのシリーズのコッキングリボルバーは、マルイの10才以上用と18才以上用のような、一部パーツの追加変更や塗装で差別化されているものではない。高級バージョンという言い方も正確ではない。販売はクラウンだが、別の会社が作っている製品だ。これでは別物になるはずだ。

バレルは接着されているかと思ったのだが、こうやってはずれると得したような気分になる ●外 観

それではじっくり見ていこう。全体に艶消し黒に塗装され、ヒケも少なく、値段なりにきっちり作られている印象だ。手にしてみても、安っぽいきしみやたわみはない。見て、手に取っただけで、私の頭の中にあったクラウンリボルバーのイメージが変わった。

バレルはフレームと別パーツ。フロントサイトと一体になった上部の細長いプレートと、一体成型のバレル本体からなる。4インチと6インチのバリエーションは、実銃のようにバレルを差し替えるわけだ。バレル基部には鉄製のピンが差し込んであり、これを抜くとバレルをはずすことができる。

銃口にはわずかながらライフリングが再現され、1センチほど奥にアルミのインナーバレルが見えている。ホップパッキンはバレルの奥から3センチほどの位置にあり、調整はできない。インナーバレルは、固定されておらず、アウターバレルの中で前後に1ミリほどスライドする。バネでテンションがかかっており、バレル後端が、カートリッジの頭を押し付けて密着するようになっている。ここまで作りこんであると、さすがにこの値段でも納得する。

パイソンの顔となる穴あきベンチレーテッドリブも綺麗に再現されている。刻印は、金型ではなく後から入れたシャープなもの。COLTの文字こそ無いが、安価なコッキングではなかなか見られないリアルな雰囲気だ。

フロントサイトには赤いプラがはめ込まれている。リヤサイトは、調節ネジのクリックこそないが、上下左右とも調節可能。リヤサイトと、リヤサイトの取り付けられているフレーム上面は、ヒケが目立つ。このトイガンの見た目では一番気になる部分だ。

ハンマーを起こすと、そこには何もない。エアリボルバー特有の景色だ シリンダーは、リボルバーの心臓部ともいえるパーツで、ここの成型がきちんとしていないと、ごちゃごちゃしたオモチャっぽい印象になってしまう。このトイガンでは、目立つヒケや変形もなく、なかなかすっきりした眺めだ。そしてエジェクターロッドは金属製。外観では唯一の金属パーツだが、これは値打ちがある。プラでは表現しにくいパーツだし、見た目だけでなく強度的にも有利だ。

そして、これは見過ごしてしまいがちなことだが、シリンダーとフレームの隙間が小さい。特に上下の隙間は、0.5ミリのプラ板が入らないほどだ。実射テストをするときに、シリンダーにビニルテープでマークを貼ったら回転しなくなって気付いた。トイガンでは実銃ほどの精度がなく、ガタがあるので、ある程度隙間を空けておかないと回転しなくなる。しかしこの隙間がやたら大きいと、間が抜けて見える。

以前の低価格モデルのレポートでも書いたが、シリンダーが完全筒抜けなのが、カートリッジ式リボルバーの美点。リアルさということでは、インサートの入ったモデルガンもかなわない。ダミーカートもちゃんと入る。

フレームも実銃同様のパーツ割となっていて、左側のパネルが開くようになっている。パネルに馬マークはついているが、何もくわえていないし、立ち方もちょっと遠慮がち。フレーム右側がどうもあっさりしているなと思ったら、トリガーピンやハンマーピンが省略されて平らになっていた。

グリップ内の白っぽいのはウエイト。もっと大きな画像が見たい方は、画像掲示板にあります 分解は出来るが、パネルを開くときに中身がバラける。ラッチ裏側のシリンダーを支持する軸が、ハンドにひっかかるのだ。トリガーあたりから薄い板など突っ込んでハンドやセフティを押さえながらパネルをはずすといい。何のことか分からない人はやめおくのが無難だ。バラバラになっても私は責任取れませんので念のため。

ヒケは皆無ではないが、今まで作ったモデルガンキットのリボルバーなどに比べると、きれいなものだ。艶消し塗装もヒケを目立たなくしている。ヒケというのは、型に流し込んだプラが固まる時に収縮してできるくぼみ。プラが大きなかたまりになっている部分ほど、ヒケが目立つ。

ヒケが出来やすい場所は、同じような形をしている限りどのメーカーでも同じ。目立たない裏側部分で肉抜きをするなどして、ヒケが出来にくいように工夫してあったりする。たとえばシリンダーをオープンしたときに、シリンダーをささえるクレーンの裏側に隠れていたフレーム部分。実銃ではもちろんフラットな面なので、気になるならパテで埋めて、ついでにウエイトも入れてやればよい。

グリップはラバータイプ。ラバーではなくプラ製なので、ラバースプレーを噴いてやるとリアルになるだろう。ネジが見えるがダミーで、単なるモールド。グリップ内部にポンプがあるので、ネジで貫通するわけにいかないのだ。マルイのコッキングガンのフレームのように、グリップ左右分割の合わせ目に細いピンが何本か埋め込まれて固定されている。分解するときは、まず左側だけがはずれるのでそのつもりで。

右2つの写真はシリンダーをはずしてある。右上は、トリガーを一杯に引いた状態。カートリッジがはさまれて固定されている ●動 作

このパイソンは、カートリッジ式のエアコッキング。プラ製のカートリッジに1発ずつBB弾を入れて、シリンダーに装填する。カートリッジは筒状で、後部につけたパッキンでBB弾を保持する。ハンマーを起こすと、グリップ内のポンプがコッキングされる。トリガーを引くと、ポンプから出たチューブはハンマー横を通ってエアを導き、ノズルがカートリッジ後部にドッキングしてBB弾を飛ばす。この機構は安い方のパイソンと同じだ。

リボルバーというと、映画やテレビでは、手首のスナップを効かせて、装填したシリンダーをフレームに戻すシーンが良く見られる。画面で刷り込まれたかっこいいガンアクションのひとつだ。軽いプラ製トイガンでは、これがやりにくい。うまくはまらないのである。このパイソンでは、それが可能。"スイングインアクション"と称して売りになっている。振らなくても傾けただけで自重で納まるくらいラッチが軽いので、パーツに無理がかかる様子はなさそうだ。

ちなみに実銃ではこんなことはしないそうで、トイガンでも物によっては故障の元になるのでご用心。

撃った後にシリンダーをスイングアウトしてエジェクターを押し、6発一気に排莢というアクションももちろんできる。もっとも、ガンを上向けただけでカートリッジはパラパラ軽く落ちてくるのだが。

実銃のリボルバーにもこういうセフティはないが、トイガンでもあまり必要性は感じない トリガーを引くとハンマーが起きるダブルアクションは省略されており、シリンダーだけがカチカチ回る。省略されているのは残念だが、10才以上用でもハンマーを起こすのがけっこう重いので、18才以上用でダブルアクションだと、引ききれないのかもしれない。シアーなどパーツへの負担もかなり大きくなりそうだ。

このトリガーは、ストッパーをはずしシリンダーを回転させ、ノズルをカートリッジ後端に押し付け、ハンマーを落とすという仕事をしている。トリガーだけでカチャカチャやっていると、この動きがよくわかって興味深い。カートリッジは、後からノズルに押されると、シリンダー前方から飛び出してフレーム側のバレルに押し付けられる。バレルにはバネが仕込まれていて、カートリッジ先端をしっかり受け止める。前後がそれなりの節度で固定されて気密を確保している様子だ。少なくとも見て分かるような隙間はない。

フレーム左側、トリガー基部のパネルに、スライドスイッチのようなトイガンセフティがある。トリガーとハンマーをロックすることが出来るが、ハンマーを起こした状態ではセフティはかからない。


90発ほど撃ち込んだが、平均的に散らばってくれるのでなかなか的紙が破れなかった ●実 射

さて問題の実射。結論から言うと5mから的を狙って遊べる。やはり安いパイソンとは別物だ。マルイの10才以上用よりもパワーは弱く、時々コピー紙の的が抜けないことがあるが、それでも大部分はCD程度の範囲に飛んで行く。撃つ度にいろんな方向に散らばるものの、時には何発か続けて数センチにまとまることもある。

BB弾の標準は0.12gだろう。5mなら0.2gでも遊べるが、さすがに0.25gだと重量オーバーで、弾道がしっかり見える。弾が重いほど大ハズレは減る。

リヤサイトは上下左右調節可能なのだが、狙点と着弾にはかなり上下差がある。もともとフロントサイトがかなり高く、使用するBB弾によってはリヤサイトの調節幅いっぱいまで上げても追いつかないかもしれない。前後サイトの凸と凹の上で合わせる照準ではなく、赤インサートを使うなり工夫してやるとよい。

タナカのS.A.A.のときのように、カートリッジごとのクセがあるかと思ってマークして撃ち込んでみたが、個体差は判別できなかった。そもそもカートリッジの固定ができない機構なので、個体差があってもその他の不確定要素に吸収されてしまうのだろう。

このリボルバーは、撃つたびに命中率が変わっている印象があった。オートのエアコッキングガンとは機構も違うので、ばらつきの幅も大きく、6発だけでは平均値が分からない。そこで今回は、とにかくたくさん撃ち込んで見た。画像は、付属の的紙をA4の紙に貼り付けたもの。的の外円は直径13.5センチで、CDよりひとまわり大きい。


●まとめ

純粋に命中率だけ見れば、良くはない。しかし、集弾には不利な条件がいくらでもあるカートリッジ式のコッキングリボルバーで、これだけ当たれば十分だと思う。

命中率テストなど撃って遊んでいる時は、カートリッジはシリンダーに入れっぱなしで、BB弾だけを詰めていく。それでも6発ごとに繰りかえすこの動作は、しっかりリボルバーのリズムだ。オートのマガジンにBB弾を1発ずつプチプチ詰めていく作業とは違う。シリンダーをフレームに納め、1発ずつハンマーを起こして撃つ。6回繰りかえすとまたシリンダーをスイングアウトする。一連のシリンダーの動きは、リボルバーの香りを妨げることなく軽快。どの動作も楽しい。

値段相応のつくりで、ちゃんと撃って遊べるコッキングリボルバーというと、他にはない。定価3,900円だが、実売3,000円程度なら損はない。安いシリーズもあるのだが、くり返すが全くの別物なので、どうせならエアガンとしてきっちり遊べる方をおすすめする。

このシリーズは、他にM19、M29、M586があるので、そちらも順に手に入れていくつもりだ。いまさらながら久々に楽しいシリーズを発見できた気がする。

2002.9


K's TOY GUN