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ASTRO BOY 鉄腕アトム
〜アトムハートの秘密〜

GBA/セガ・ヒットメーカー・トレジャー

 それはロボット工学が今より遥かに進んだ近未来の話。様々な用途に応じた様々なロボットが開発される中、「アトム」は世界初の”心を持つロボット”としてお茶の水博士の手によって誕生しました。10万馬力のパワーと様々な能力、そして何より「正しい心」を持つアトムは、それらの能力を駆使して悪に立ち向かうのです。しかし……世の中にはロボットの台頭を良く思わない人間がいて、そして一方的に迫害を続ける人間を良く思わないロボットもいたのです。人が成立させる、あまりに横暴な法律。反旗を翻して人を襲うロボット。南極に誕生したロボットの大統領に、海底特急マリン・エクスプレスの実態……。そしてアトム自身も、この激動の中で自らの出生の秘密を知る事となります。
 果たして、本当に自分を作ったのはお茶の水博士なのか?十字架島の遺跡には何が眠っているのか!?そして、人とロボットの未来はどうなるのか?
人間とロボットが友達でいられる世界、その実現はアトムの双肩にかかっているのです!


映一郎(以後「え」)/2003年の最後の最後にトレジャーがやってくれたーッ!!

飛田竜夫(以後「ひ」)/キマシタネ!!

え/てな訳で、「2003年ベスト対談」からスピンアウトして、このガンスタやガーヒーの様な久々の「純トレジャー2Dアクション」作品、
『ASTRO BOY 鉄腕アトム 〜アトムハートの秘密〜』で語ってみよー!とゆー事になった訳ですが、磯岳さんはプレイしました?

磯岳(以後「い」)/正月早々、市内のゲーム屋総当りで探してきました!手塚先生の漫画原作のゲームって原作を冒涜するかのようなのが多かったじゃないですか?我王が時空を越えてノミと瓦で大暴れとか(笑)。なので、このゲームもノーチェックだったんですよ。でも雑誌で見たボスキャラが多関節で…

え/ああ、はいはい(笑)。1面のアレかな?

い/そう、トレジャー臭がした(笑)。よくよく調べてみれば、トレジャーだしゾルゲ氏噛んでるしでブランド買い決定

え/なるほど。ともあれこのゲームって、
1周目は普通に面白いアクションゲームじゃないですか。必要なアクションを簡単操作で繰り出せるし、敵の配置とかのバランスも簡単すぎず難し過ぎずだし、非常にトレジャーらしくそつのない作りで。でも、普通、
2周目でいきなりゲームが変わるなんて予想つかねぇですよ!!基本的には同じアクションゲームという土台が変わらないのに、遊び方や目的をこうも激変させる事ができるとは!!

ひ/このゲームは2周目の”理由付け”に鳥肌が立ちましたねー。ネタバレになるからあまりいえないけど、2周目の 「○○編」ってタイトルが出たときはマジで震えました。『えー?!バッドエンドー?!』と思って愕然としてたら、あのキャラが出てきて、アレでしたから!

え/2周目の理由付けもいいですよねー。「手塚治虫集大成モノ」としても本当に出来がいい。大体このゲーム、最新作の「アストロアトム」をゲーム化したもののはずなのに、
トレジャーはアストロアトムで作る気がほとんどない(笑)。確かに基本キャラデザはきちんと平成版を利用して、「アームキャノン」の様な新兵器も取り入れてますが、平成版では無いハズの「ケツからのマシンガン」を復活させてるし、内容に至ってはほとんど『マリン・エクスプレス』ですやん!!

い/僕は手塚先生の作品って人並みにしか知らないんですが、それでも心震えましたね。子供の頃、24時間テレビで放送された手塚アニメは観てたので「マリン・エクスプレス」な展開は「あ!コレ知ってる!」とか、同じ24時間TV枠の某キャラも見つけて「コイツまでいたー!」とか(笑)。

ひ/『アトムvsビッグX』とか『アトムvsワンダー3』だとか夢の対決も散りばめて、「アストロ」にも「マリン」にも出てこない様々な「手塚キャラ」てんこもり。しかも今回のゲームのサブタイトルにもなっている「アトムハート」は、様々なキャラとの出会いを重ねていく事によって成長していくものなので、このゲストキャラとの遭遇が案外重要だったり、しかもただ出ているだけじゃなくて、各キャラにきちんとした「そこにいる理由」がつけられていて、それがシナリオに密接にからんできて………ホントあれですよ、今川版Gロボに近い感覚!というかこの設定でアニメ化しれー!!

え/原作有りのキャラゲーで、原作をも越えるシナリオを搭載!…なんて逆転現象を起こしてるゲームなんてなかなか無いですよ(笑)!?

ひ/特にブラックジャックの使い方、渋かったですよねぇ。ちょっとだけバラすと、BJ先生がオペをしている無菌室上空で戦うシーンとか、もぅたまりませんよ!

え/そう、エアーテントでの戦い、燃えますな!!ただバトルフィールドにBJ先生がいて、そこにダメージがいかない様に闘うってだけのなんでもない演出のはずなのに、物凄く格好良くてめっちゃ心に残るシーンにまで昇華されてますし!!

ひ/『ここまできてオペ中止などできるか!!』 それでこそBJ!!濡れるぜ!(笑)

え/濡れますか(笑)!!あと、トレジャーといえばラスボス攻略後の「1分間の耐久」ですが、それを今回もキチンと持ってきて、且つ「アトムのラストといえばコレだろう!」ってステージにして、
両者の特性が物凄く見事に一致してた点でもう心底惚れました。つーか、エンディングは泣いた(笑)。トレジャーと手塚治虫って組み合わせが、ここまで相性いいなんて思わなかったですよ!!

ひ/そう!

い/やったことない人は、このイニシャルトークを読んで購買意欲がそそられてるのでは?伏せてる内容部分、知りたいならプレイするしか!!

ひ/しかしあそこまで手塚作品いじってよく文句言われないなぁって思ったんですが。…手塚プロ寛大?(笑)

え/あ、いや。実はセガが「手塚治虫が創作した全キャラクターを独占的にゲーム化できる権利」ってのを2002年の段階で取得してたんですよ。 あの、コナミとプロ野球連盟みたいな感じで。で、そのセガが「この権利で、何かいいゲームできないかなー」とセガガガでおなじみのゾルゲ氏にもっていって、ゾルゲ氏は「アクションといえばトレジャーだろう」とひらめいて『トレジャー!』と叫んで素っ裸で風呂から駆け出してローマ兵に捕まったそうです。

ひ/最後の部分は何だ(笑)。

い/いや、やりかねません、あの人なら。

え/本人がサイトにそう書いてるからなぁ(笑)。

ひ/まぁ、しかし本当にアクションゲームとしてよく出来てるし、アトムハートに記録された手塚キャラについてはオプションの「名鑑」で説明を読める辺りも、ユーザーフレンドリーですよね。『え?このキャラって誰?』という疑問もすぐさま解消できる。それに「むずかしい」モードでクリアすれば「究極名鑑」になって…

い/あれ、まだ増えるんですか!?「かんたん」クリアの「増補名鑑」でもちょっとした手塚キャラ博士になれる内容なのに(笑)。

ひ/「このキャラの劇場版では脚本が誰々で画面構成は誰々が担当して…」「火の鳥2772愛のコスモゾーンではロトスコーピングやスリットスキャンといった意欲的動画撮影法を用いてワンカット700枚ものセルが…」等、
ゲームのオプションとしてまず間違いなくいらない知識が鬼の様に追加されますよー。もう一体何をしているのかと(笑)。

え/あと個人的には、天馬博士関連のフラグの立て方が実にトレジャーらしいなぁ、と思いました。普通ゲームのそんなトコにフラグ持ってこないよ(笑)!!

ひ/あれ普通気付かないですよね?

え/まぁ、ちょっと考えれば推理はできる範囲ですが、「いや、でもまさか普通そんなトコに…?」って思わず調べる事を自制してしまうよーなトコに!

ひ/でもホント手塚作品のキャラゲーとしての完成度も高いですが、アクションとしての完成度も「さすがはトレジャー!」と言わざるをえないですよね。アクションのルールが、ちゃんと「鉄腕アトム世界のルール」になってるのが凄いと思いました。ダッシュや、空中をジェットで飛んでる時なんかは絶対無敵。しかも、敵をすり抜けられる。

え/よく漫画でアトムがジェットを噴射しながら敵をぽかすか殴ってるシーンありますが、ゲーム中でもきちんとあの様子を再現すれば、比較的ノーダメージで進めるよーになってるのが「計算されつくしてて凄ェ!!」と思いましたねー。2Dなんで画面に奥行きはないんですが、日本人としてデフォでアトムの活躍は脳裏に焼き付いてるんで、『ああ、目の前の敵に対して横へギューンと回り込んでるんだな』…とその光景がありありと思い浮かびます。自動脳内補完。

ひ/レバー下+攻撃で出るキックで吹っ飛ばしてそれをさらにキャンセルしてダッシュで追っかけて追い討ち、という今風の格ゲーのような動きでもあるんですよね。さらにコレを駆使してパンチ1セットキャンセルダッシュキャンセルパンチ〜と7回ぐらい最速で繰り返して最後にアームキャノンで締めると、「電光」に1回も光学迷彩使わせず倒せたりします(笑)。

い/ホンマですか!?……(←試してる)スゲェ!メチャメチャ上手になった気がする!!でもこの「ダッシュ中とジェット中は無敵」ってルールはもうちょっと丁寧にチュートリアルした方が良かったんじゃないかなと思いました。これって説明書に「ダッシュ中は無敵です」の一言しか書かれてないんで、説明書読まずに始めたらまず間違いなく敵にボコられる(笑)。

え/使わないと結構ボコボコにされますもんね。「かんたん」なら頻繁にHP回復アイテムが出るんで問題が無いものの、「むずかしい」だと必須。

い/ココでアトムを知ってやってみよう!って人の為に大きく書いときましょう。「ダッシュ中は無敵!」(笑)。

ひ/あとパンチを連続で当てるとスコアに最高10倍までボーナスが入るのが『斑鳩』とかあのへんのゲームを彷彿させますね。けっこう敵の配置もそこらへん考えて作られてるみたいなんで。

え/そういう玄人への配慮ももちろんですが、素人さんへの配慮も今回はかなりのモンですよね。簡単モードだと
必殺技ゲージを99個もストックできるって(笑)。

ひ/ですねぇ。ホントに すごい 簡単。必殺技ばっか使って進む事も可能という。

え/それが「むずかしい」だといきなり最高
3個。激減しすぎ(笑)。でも、やってみると3個でもやりくりできますよねー

ひ/そうなんですよ。「むずかしい」も最初が厳しいだけで、慣れてくると3個で十分。

え/むしろ、使わない(笑)。

ひ/というか「かんたん」で慣れれば「むずかしい」でも十分適応できるというこのバランスの取り方が素晴らしい。

い/僕はすごいヘタレゲーマーなんで「かんたん」は必殺技のゴリ押しで進んでたんです。で、「むずかしい」はそれが出来ないんでどうしよう…こんな攻撃絶対避けんの無理〜とか思ってたんですが、どんな難しそうな面でもなんかの拍子に「あ、見切れた」ってなるんですよ。すっごい気持ち良かったですね。


え/自分が上手くなっていくのがよく解るゲームですよね。

ひ/ いやほんとこれは探してでも買うべきです!このゲームこそ、我々が大々的に宣伝して、少しでも売上に貢献すべきゲームですよ!!『地球防衛軍』や『くまうた』は、ほっといても売れます!(笑)

え/ あと、個人的にはですね。手塚治虫先生の漫画が1作1作面白いのは言うまでもないんですが、 「全体」として見るとディズニーみたいな華やかさというか、あかぬけ度が無いよなぁ…と思ってたんですよ。いきなり宝塚の手塚治虫記念館の横にでも「手塚治虫ランド」みたいなのが出来たとして、
『きりひと賛歌ライド』とか 『奇子城』とか 『どろろコースター』とかできても子供として嬉しくない(笑)。

ひ/いやそれ子供のトラウマになるし(笑)。

え/なんか暗いですやん!どっちかいうたら!!(笑)

ひ/いや、まぁそうなんですけど。

え/それが今回、元祖手塚作品集大成である『マリン・エクスプレス』を大胆に土台に据えて、そこに「アストロアトム」を中心とした「明るめ」な作品群を盛り込んで、こうまで「明るく楽しい手塚ランド」を作れたのは純粋凄ェなぁと思いました。まぁ、上記の暗めな作品をいきなり盛り込んできても、それはそれで凄いんですが。アトムvsきりひと賛歌とか。アトムvsグリンゴとか。特にグリンゴは未完で終わってるんで、日本 人(ひもとひとし)が15年分のすもう力(ちから)溜めてんの。馬鹿みたいに強かったり。

い/田中圭一の偽手塚漫画みたいだ(笑)。

ひ/じゃあ次回作でそれをやってもらいましょう。トレジャー!その為にもGBAアトムを皆でもっと買いましょう!

い/2004年春にはセガワウ制作の「どろろ」、ソニックチーム制作の「アストロボーイ鉄腕アトム」がPS2で発売されますし、手塚ゲーの時代かも知れませんよ!?


え/イエー。


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