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スプラッターハウス
アーケード/ナムコ

死体蘇生をテーマとし、狂気の研究を行っていたウエスト博士。オカルティックな儀式や研究の副産物で溢れかえる彼の館は、いつからか「スプラッターハウス」と呼ばれるようになっていた。そのウエスト博士の死後、大学で超心理学を学ぶリックとその恋人ジェニファーは「スプラッターハウス」の噂を確かめようと、突如降り出した雨の中、飲み込まれるように館へと足を踏み入れる。そして、その2人を待ち受けていたのは・・・・・・・・博士の残したおぞましき「研究成果」達だった!!
怪物達によって館の奥へと連れ去られるジェニファー。助けようとしたリックも怪物達に打ちのめされ、地下牢に放り込まれてしまう。だが薄れ行く意識の中、何者かの声が絶望にまみれる彼の意識に語りかけてきたのだった。

『我が名は”ヘルマスク”。太古より覇者と共にあった仮面に宿りし精霊なり。若者よ、オマエに力を貸してやろう…』

・・・そして彼は「異形の者」として目を覚ます。愛する人を救うため、長い、長い悪夢へと…


有馬(以後「あ」)/そんな訳でして今回は、以前『アタック25』でも少し触れた『スプラッターハウス』です!!俺の『心の第一位』ゲーですよ!?

破天荒(以後「は」)/まあ実際あの夢溢るるステキ会社ナムコの「異端児」としても有名な名作やしな。ナムコ黄金期〜現代を分類すれば、「ギャラクシアン」「ゼビウス」に代表される『シューティングの時代』、「ワルキューレ」や「ワンダーモモ」に代表される『ギャルゲーの時代』、「リッジ」シリーズの『ポリゴン黎明期時代』、そして近年の『技術の時代』の、どのカテゴリーにも収まらねえの、このゲーム。

あ/確かに。今では「バイオハザード」「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」と言わば”ゾンビ物”がそれなりにゲームジャンルとして市民権を得てはいるが、だからこそ当時受けた衝撃はかなりのものだったよ。

は/PTA激怒やわな。

あ/そりゃもちろん!なにせ当時のNG(ナムコの昔の機関誌)でのスタッフインタビューでも「いろいろ上から言われましたから…」なんて苦労話も出ていたし。でも、だからこそクリーチャー好きな俺のハートをがっちり離さないんだ!まぁ身も蓋もない事を言ってしまえは主人公の格好は13日の金曜日で有名なアレそっくりだが…ソイツが異常な膂力で怪物どもをグチャグチャに”潰して”行く姿に惚れて最初はプレイしていたわけよ。

は/まあ実際『ジェイ○ンをプレイヤーキャラとして操作して、残虐の限りを尽くす』と言うコンセプトはあったと思う。ただ、相手を人間にしちまうとそんなもんただの「犯罪幇助」やから、怪物にして「残虐性を発揮する免罪符」を手に入れた訳やな。でも、このゲームって残虐がどうとかグロがどうとか次元の低い話では納まらないから名作たりえてるんやなぁ。とりあえず、お前の「ここぞ」って言う部分は何処よ?

あ/そやなぁ・・・、やっぱり演出面も誉めたいね。スプラッター的演出はもちろんだが、人間を引き込む水溜まりや絵から飛び出す女の顔等のホラー的演出も見事だったよ。特に鏡を割ってもう一人自分が出てきた瞬間は「来るんじゃないかな?」と思っていてもビビった。「ホラー」の文法を解っているからこそ出来る演出やろ?そして俺がこの作品を心の1位として認める最大の展開が、5面で待ち受けてる訳や!!!

は/その手を化け物の血で染めてでも救い出さんとした最愛の人、ジェニファーとの再会シーンやな。

あ/ああ!暴力の限りを尽くして狂気の館を這いずり回り、遂に取り戻したジェニファー!!だが、彼女は既に腐敗した怪物にされてたんや!!彼女の肉体はおぞましく膨らみ、その口からは「今までしてきた戦いは全て無駄なんだよ!」とでも言わんばかりのあざけりの嘲笑が響き渡る!そんな彼女を救うため…彼女を救うべく振るってきた鉄拳を彼女自身に叩き込むと言う、最大にして最悪の悲劇が幕を開けるんや!!今でもこんな演出珍しいわ!しかも、当時のあの時代背景でこれをする衝撃は解るやろ!?

は/『ドルアーガの搭』のギルだって、『ドラゴンバスター』のクロービスだって、みんな最愛の人は自らの手で取り戻してた。そんな愛の幻想、ハッピーエンドを無邪気に信じる心をまさしく鉈で叩き割ったよな。このゲームは。

あ/単純な気分爽快ゲームじゃないんよ。愛するヒロインの息の根を自分自身が止め、力を貸してくれていたヘルマスクにも最後には裏切られ、それでも尚前に進む「リック」と言う漢の生き様なんよ。今だ俺の胸を打つのは、ジェニファーの「ヘルプ・ミー!」という言葉と最後の「サンキュー…グッバイ…」という言葉。彼女もリックを愛していたからこそ、彼が何よりも大事だからこそ、彼の為に自ら殺される事を受け入れた。そこには『さぁ、これから僕たちの新たしい日々が始まるんだ』なんて言う恋人同志とは比べ物にならない”愛”があるんや!

は/やはり「スプラッター」の醍醐味は、ジェニファーとのやり取りなんやな・・・。うん、俺、思うんやけど、「スプラッターハウス」ってゲーム界における「デビルマン」やと思うねん。

あ/異形の者の力を身につけて、異形の者を倒す点か?

は/もちろんそれもあるんやけど、本来「文法上」死ぬ訳がない「ヒロイン」が最も惨い形で惨殺されると言う点と、そこを折り返し地点として価値観の崩壊と善悪の逆転が始まるそのプロットとか、な。

あ/凄かったよなぁ・・・デビルマンのあの話。ヒロインの両親は人間の「拷問」により虐殺され、ツレちゃんは狂人に首を切られ胴体は階段から転げ落ち、美樹は五体バラバラで棒に串刺しにされてんの。

は/だからスプラッターハウスもやな、異形の力を身につけて迄救おうとしたヒロインが、敵の手によって化け物にされていた「怒り」が満ちてんのよ、後半。よくよく考えないと気付かない点やけど、ヒロインの無事を信じてる頃の闘いは、明らかな「異形」と対峙し、「ホラー」のオマージュを展開するゆとりが有り、ボス戦だって「一発攻撃が当ったら光ながら後に後退」してるじれったい闘いなんや。けど、ヒロインを自らの手で惨殺した後の展開は、BGMも戦闘的になり、「胎児」の姿をした異形の幼生を躊躇する事なく殴り殺してその体液の道を進み、闘う事に無駄は無く、そしてボス戦も「問答無用で鉄拳を見舞いまくる」攻撃に変わってんの。本当に微々たるさりげない演出なんやけどな、さりげないからこそ、デカイんや。

あ/ナムコってやっぱ、そーゆーの上手いよな。「ゼビウス」だって、敵キャラの光点の点滅をわざと『心臓の鼓動のリズム』にして、心理学的圧迫感を与えてる・・・なんてナムコマニアにしか解らない事やってたりもするし。スプラッターのその演出は俺も気付かなかったけど、言われればそうやな。ヒロインを殺した後のリックって、暴力のタガが外れてるもん。

は/そして改めて注目したいんやけど、このゲームはぶっちゃけた話、強制スクロールにポンポンと敵を配置して、プレイヤーはボタン一つで殴ったり蹴ったりして戦ってるだけの単純な「アクションゲー」って事や。意味する事、解るか?

あ/ああ!たったそれだけの事なのに、今だ感動させられる「何か」が、そこには溢れる程詰まっていた!豪華なムービーパートも無いし、人気声優がしゃべってる訳でもないのに!!

は/難しい事を難しく説明するのは馬鹿でも出来る。難しい事を簡単に説明する、その難題を見事にやってのけた模範回答ゲームなんやな。第一陣の「マニアックプロレス」の回にも言った通り、「昔のゲームを当時のバックボーンを知らない人間に100%理解させる事」は難しい。けど、スプラッターなら60%ぐらい迄は理解できるんやないか?

あ/名作だからか、未だにゲーセンに行ったら稼動してる所をよく見かけるよ。PCエンジン版でもFMタウンズ版でもいいから、とにかく触れて欲しいね。100%の理解は求めないけど、やって損は無いよ、ホンマに。お薦めです。

は/PCエンジン・・・そう言えば、PCスプラッターはPC「源平」と同時発売やったな。

あ/ん?そう言えばそーやな・・・なんなら語るか?次回?今回が俺の「心の1位」ゲーやったんやから、次はカオスシードやリンダ等が現れる迄ずっとお前の「心の2位」をキープしつづけていた『源平討魔伝』で。同じナムコのレトロゲーのよしみも兼ねて。

は/やな。よっしゃ!じゃあ当コーナー始まって以来初の予告!次回はナムコの傑作アクションゲー『源平討魔伝』や!双六やないで(笑)!!

あ/それもまた解らんネタを・・・。


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